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ポータブル電源の容量は使いたい機器の消費電力Wと使用時間を掛け、合計したWhから考えます。同時に、機器を動かせる定格出力も確認します。容量が足りることと、家電が動くことは別の条件です。
ポータブル電源とは電気を蓄えて持ち運び、対応する端子から機器へ給電する製品です。Whは蓄える電力量、Wはその時に使う電力を表します。人数だけで「必要容量は何Wh」と一律には決められません。
ポータブル電源の容量をWhで計算する
まず停電中に使う機器を選び、「機器名・消費電力・使う時間・接続端子」を一行ずつ書きます。照明と連絡手段を優先するのか、仕事用のパソコンや電気毛布も含めるのかで合計は変わります。

消費電力は機器本体の表示や説明書にあるWを確認します。充電器の最大出力は機器がいつもその電力を使うという意味ではありません。表示の値で計算した見積もりと、実際に測った消費量は区別してください。
次の表は、防災ナビ編集部が作った仮定の計算例です。特定の機器の仕様、推奨使用時間、実測結果ではありません。各機器が表のWで一定時間動くと仮定しています。
| 仮定する機器 | 電力 | 1日の使用時間 | 1日分の計算 |
|---|---|---|---|
| LED照明 | 5W | 6時間 | 30Wh |
| スマホ用充電器 | 10W | 2時間 | 20Wh |
| ノートパソコン | 40W | 3時間 | 120Wh |
| 電気毛布 | 50W | 6時間 | 300Wh |
| 合計 | 同時使用は別に計算 | - | 470Wh |
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式は「W×時間=Wh」です。この例では照明とスマホ用充電器だけなら1日50Wh、パソコンを加えると170Wh、電気毛布も加えると470Whになります。同じ機器を同じ時間だけ3日使う仮定なら、470Wh×3日=1410Whです。
電気毛布は設定や室温などで実際の消費量が変わります。この表の50Wをすべての製品に使わず、自宅の表示と使い方へ置き換えます。冷蔵庫のように運転と停止を繰り返す機器も、表示Wを一日中掛けた値と実消費は一致しません。
表示容量と実際に使える電力量
計算した470Whを、そのまま容量470Whの製品で使い切れると判断しないでください。製品の容量表示と、機器へ実際に供給できる電力量は分けて考えます。Ankerも公式ページで「実効容量」を実際に使える電力の容量として説明しています。

出典:Anker Solix C1000公式ページ「実効容量」。メーカーの評価紹介を、本記事による試験結果として扱ってはいません。
候補製品に、接続方法別の使用時間や計算条件が示されていれば、その条件を読んで見積もりと比べます。ACコンセントから使う場合とUSBから直接給電する場合を混ぜず、残量や使用環境も確認してください。
一律の変換効率を置かずに違いを見るため、ここでは仮の利用可能割合を二つ設定します。必要電力量を470Wh、表示容量のうち使える割合を80%と仮定すると、470÷0.8=587.5Whです。70%なら470÷0.7≒671.4Whで、小数点以下を切り上げると672Whです。80%・70%は説明用の仮定で、製品共通の保証値ではありません。
この計算は候補を比較するためのものです。容量の劣化や温度などを含む実際の使用時間を保証せず、必要な機器を実際に使う条件で確認する工程を残します。ぎりぎりの計算で機器を増やさず、使う物を減らす案と容量を増やす案を比較します。
定格出力と同時使用の確認
定格出力は、連続して供給できる電力を確認するための値です。機器を同時に使うときはWを足します。先ほどの仮定の四機器なら、5+10+40+50=105Wです。Whの合計とは違い、使う時間はここでは掛けません。

例えば電力1000Wの仮の家電を10分使う場合、電力量は1000W×10/60時間≒166.7Whです。消費するWhが小さく見えても、その機器を動かす出力条件は別に満たす必要があります。大容量の電源でも、定格出力を超える機器が使えるとは限りません。
製品の「瞬間最大出力」は定格出力と同じ意味ではありません。モーターなどを使う機器は起動時の条件もあるため、機器と電源のメーカーが案内する対応を確認します。瞬間最大の数値だけを見て、連続して使えると判断しないでください。
仕様の読み分けの実例として、Anker Solix C1000の公式ページにはバッテリー容量1056Wh、AC出力1500Wと表示されています。別にSurgePadという機能で2000W相当の家電に対応すると案内していますが、精密機器や厳格な電圧要件を持つ機器には利用できず、パススルー充電中も使えない条件があります。
出典:同製品の「製品仕様」「ご注意」。この製品の購入推奨ではなく、容量・出力・特別な機能の条件を分けて読む例です。
購入前に確認する接続と取扱条件
出力Wが足りても、端子や電圧、周波数などの対応が合わなければ使えるとは判断できません。AC、USB-C、USB-Aなど使う端子を決め、複数端子の同時利用時に合計出力の制限がないかも確認します。
保管や充電の方法も製品ごとに読みます。例えば前述のAnker製品は公式ページで雨や湿気の多い環境、高温になる車内等を避けること、保管時の温度や残量確認の条件を案内しています。別の製品へ、満充電での保管や点検間隔を一律に当てはめないでください。
NITEはリコール対象製品について、不具合がなくても使用を中止し、販売店やメーカーへ連絡するよう注意喚起しています。中古品や手持ち品を使う場合も型番で最新情報を確認します。
医療機器等の人命に関わる用途は、一般家電の容量計算だけで決めません。前述のAnker製品も、非常時の不具合で人命・財産に重大な危険が生じる用途を控えるよう案内しています。利用を検討する機器の供給元と、電源メーカーに適合条件を確かめる必要があります。
よくある質問
防災用なら500Whで足りますか?
人数だけでは決まりません。使う機器のWと時間からWhを合計し、実際に使える電力量と出力条件を別に確認します。
1000Whなら1000Wの家電を1時間使えますか?
単純な積では1000Whですが、表示容量を全量そのまま使えるとは限りません。さらに1000Wの機器に対応する定格出力や起動条件も必要です。
電気毛布のWはそのまま計算に使えますか?
まず手元の表示を使って見積もれますが、設定や使用条件による差があります。他の製品の例示Wを自宅の実測値として扱わないでください。
スマホを何回充電できるかもWhで分かりますか?
充電回数はスマホ側の電池や残量、充電経路の条件でも変わります。充電器の最大出力Wだけから、満充電の回数を決めることはできません。
瞬間最大出力が高ければ家電は動きますか?
それだけでは判断できません。定格出力、起動時の条件、電圧等、メーカーが示す対象機器と使用条件を確認してください。
今日作る電力メモ
停電時に残したい機器を選び、W、使用時間、端子を一枚に記録してください。Whの合計と、同時使用のWを別の欄に書けば、候補製品で何を確かめるべきか分かります。家電を増やす前に、時間を短くする案も計算して比べます。
電源以外の照明・情報・復旧後の確認は、停電時の明かり・情報・安全確認の備えで整理できます。
参考資料
- Anker「Solix C1000 Portable Power Station」:容量、AC出力、SurgePadの条件、使用・保管上の注意。
- NITE「リコール情報の未読・既読スルーはNG」:対象品の使用中止とメーカー等への連絡。
資料確認日:2026年11月4日。表の家電のWと使用時間、利用可能割合は編集部の計算用の仮定です。図は計算と確認を説明するイメージで、製品を試験した結果ではありません。
出典と確認日
- Anker Japan (確認日: )
- NITE (確認日: )
