最近、日本各地で大規模な地震が頻発しています。この国が地震に弱いことは明らかで、同時に高齢者人口の増加と一人暮らしの高齢者の増加が続いています。災害時、高齢者は特に脆弱な立場にあると認識されています。
多くの人々が、一人暮らしの高齢の親族が災害に遭遇した際の不安を感じているかもしれません。地震の予測は困難で、発生時の準備が不可欠です。特に、一人暮らしの高齢者は、地震発生時には、自主救護が必要です。それには、避難のための事前準備と知識が重要となります。
日常的に取るべき予防措置
住宅の安全性の確認、緊急避難用品の準備、避難情報の把握は、地震時の被害を最小限に抑えるために欠かせません。
住宅の安全対策
住宅の危険箇所がないかを確認し、安全対策をとっておくことが地震による怪我を最小限にする、避難経路を確保するために重要です。
- 家具や家電製品は転倒防止用具で固定し、出入口近くに置かない、高い場所には物を置かない。
- 窓ガラスや食器棚のガラス戸には飛散防止フィルムを貼り、窓のカーテンを閉じておく。
- 寝具の近くには滑りにくい履物を常備し、必要に応じて家の耐震性を向上させる。
防災リュックの準備
避難が必要になった時に、避難所での生活に必要なものを入れた非常持ち出し袋を準備しておきます。高齢者には、避難時に両手が空くように防災リュックが良いでしょう。
- 防災リュックには、必要最低限の生活用品、食料、水を1〜2日分準備。生活必需品(常備薬、メガネ、補聴器等)、ホイッスル、懐中電灯、携帯電話用充電器とバッテリー、保護用グローブ、マスク、少額の現金、緊急連絡先や家族の連絡先のリストなどを入れておきます。その他、保険証、診察券のコピーなども入れておきます。
- 非常用持ち出し袋は5〜6kg以下で自分で運べる重さにし、玄関など持ち出しやすい場所に置いておきます。
- 避難するときに、普段飲んでいる薬を忘れないようにしましょう。その他、必要なものを忘れないように、防災リュックにメモを貼っておくなどの工夫をしておきます。
避難所と安否確認の方法を共有
地震が発生した時には電話がつながりにくくなります。そのため、家族が安否を確認できる方法をあらかじめ話し合っておく必要があります。
- 避難所と避難経路を確認し、家族と共有しておく
- 家族との安否確認方法を事前に決めておく(災害ダイヤル171やグループチャットなど)
地震発生時の行動
地震が起きた際は、頑丈な家具の下に隠れる、家具や大型家電から離れるなどの行動を取ります。揺れが止まった後は、落ち着いて避難し、必要であれば近隣の助けを求めましょう。
家族や地域社会との連携
災害対策は協力が必要であり、自分1人ですると危険なことも多くあります。そのため、家具の固定などは家族や近隣と相談しながら行うようにします。
また、自治体の「災害時避難行動要支援者登録制度」の利用も検討しておきましょう。災害時避難行動要支援者登録制度とは、要介護状態等にあり、自力で避難行動を行うことが困難な高齢者や障がい者の避難誘導等が迅速・的確にできるようにするための制度で、事前に登録が必要です。
高齢者でも、適切な準備と対策によって、地震への不安を減らし、実際に発生した際にも冷静に行動できます。これらの対策を参考に、高齢者の地震対策をしっかりと行いましょう。
地震に対する備えは、日頃からの意識と準備が鍵です。高齢者だけでなく、家族や地域社会全体で支え合うことが、災害時の安全と安心を確保する上で非常に重要です。高齢者一人ひとりが自立し、また周囲が適切にサポートすることで、地震などの自然災害に強いコミュニティを築くことができます。
最後に、災害時には予期せぬ状況が発生することもあります。そのため、日ごろから情報収集を怠らず、最新の地震対策技術や支援システムにも目を向けておくことが大切です。また、地震発生時の経験を共有し、互いに学び合うことも、より効果的な備えにつながります。
地震対策は、高齢者一人ひとりの生命と健康を守るため、また、家族が安心して生活できるために必要不可欠です。この記事を活用し、万全の備えをしてください。